米国高配当株ETFとして有名なSPYDについて解説します。
- 米国高配当株投資を始めたい
- アメリカの高配当株をまとめたETFを探している
- 投資は少額から始めようと思っている
SPYDの投資対象はS&P500採用銘柄で高配当な80企業
ティッカー | SPYD |
基準通貨 | USD |
設定日 | 2015/10/22 |
運用会社 | ステート・ストリート |
経費率 | 0.07% |
配当利回り(直近) | 年約6%(3ヶ月に1度配当) |
総資産額 | 約19億$ |
投資対象 | S&P500の配当利回りTOP約80銘柄 |
SPYDの特徴はその経費率の安さです。米国株ETFは経費率が安い銘柄が多いのは事実ですが年率0.07%で運用してくれるのは破格の安さです。
また、最近はコロナショックで多くの銘柄が値下がりしたため、配当利回りも6%もかなり高くなっているのも特徴の一つです。
この配当利回りは高配当ETFでも高い部類に入ります。
一方で、採用銘柄はS&P500銘柄の中で配当利回りの高い銘柄となっており、中には不人気銘柄も含まれます。
過去にはM(メイシーズ)も高配当銘柄でしたが、無配転落しS&P500からも外れたことからSPYDからも外れることとなりました。
M(メイシーズ)は老舗の百貨店の銘柄であり、近年はAmazonを始めとしたネットショップにシェアを奪われ、株価も低迷していましたが 配当は維持(むしろ増配)していたため高配当株化していました。
それがコロナの影響もあり、ついには無配当転落。
S&P500では多くの企業が入っているので1社あたりのダメージは少ないですが、SPYDは約80企業の均等投資であるため、ダメージは比較的大きくなります。
銘柄は運用会社が入替えてくれますが、入替えの際には当たり前ですが損失が発生します。
決して資産を減らすことなく銘柄を入替えられるわけではありません。
しかも無配当や業績低迷での入替えでしょうから、売買益が得られるはずもなく、このようなネガティブな材料での銘柄入替えではかなりの損失を出す可能性があります。
投資の際はそういった可能性がある配当が高いだけの不人気銘柄も含まれるということは念頭においておく必要があります。
SPYDの特徴は不動産の投資割合が高いこと
SPYDのセクター構成比率を見てみましょう
不動産 | 16.34% |
金融 | 15.92% |
公益事業 | 11.20% |
エネルギー | 10.87% |
生活必需品 | 10.54% |
ヘルスケア | 9.02% |
素材 | 8.92% |
コミュニケーション・サービス | 6.65% |
情報技術 | 5.42% |
一般消費財・サービス | 5.12% |
やはり不動産の比率が16%と高いことが特徴として挙げられます。
同様の米国高配当ETFであるVYM,HDVと比較して、この不動産の保有割合は大変高く、米国REITにも投資したいと考える方には良いETFになろうかと思います。
配当を重視している分コミュニケーション・サービスや情報技術の分野の企業への投資は少なくなっています。
しかし、これらの企業の中には数倍の株価になるような高成長企業もあり、そのような成長の恩恵は受けづらい銘柄かと思います。
また構成セクターの上位を占める多くが景気敏感であり、今回のコロナショックのような株価大暴落の影響を受けやすいのも特徴です。
事実SPYDの株価は低迷し、なかなかもとの水準に戻りません。
過去の配当金の推移 コロナで減配の傾向か?
SPYDの配当金について確認します。
配当は設定された2015年から見るとほぼ横ばいの状態と考えますがコロナの影響を受けた最初の配当である2020年6月は2019年6月と比較して大きく減配。
2018年6月の水準よりも下がってしまいました。
多くの銘柄が高配当株から転落し、銘柄の入替えも起きたことが起因し、ファンドとしてもかなりの損失を出したと考えられます。
トータルリターンはS&P500全体への投資に劣後している
2015年の設定からSPYDに1万ドル、S&P500に1万ドル それぞれ投資したとした場合のトータルリターンは下記の通り。
設定から最初の2年はS&P500よりも高いリターンでしたが、コロナショックの暴落にはめっぽう弱い銘柄であることが露呈しています。
S&P500はコロナ後でもある程度の回復が認められますが、SPYDは下がったまま回復できていないことが分かります。
コロナの影響を受けているとはいえ、現状でSPYDは4年で約1.1倍、S&P500への投資は1.6倍です。
配当金が高いとはいえ、このトータルリターンの差は見過ごせません。
SPYDへの投資価値について
SPYDの特徴と注意が必要な点をまとめます。
- SPYDはS&P500のうち高利回りの80企業に均等投資する銘柄
- 不動産の構成比率の高さが特徴
- 配当利回りは高く約6%
- 利回りの高い企業で選定しているため、経済ショック時の暴落が大きい
- 配当は減配のリスクが高い
- 暴落したあとの回復もS&P500よりも遅い
SPYDに投資をした結果
SBI証券で5株、マネックス証券で7株持ってます。
少額ではありますが、投資はまずは少額から始めることにしています。
現状の投資結果について紹介したいと思います。
SBI証券 -34ドルの含み損
マネックス証券 9,758円の含み損
どちらもコロナショックの前に購入したためかなりの含み損が出ています。
私も高配当に目がくらんで買ってしまった人の一人。
SPYDへの投資ではこのようなリスクがあることをぜひ念頭においておいて下さい。
とはいえ、今の暴落相場では買い場であるとも言えます。
明けない夜は無いことを考えればSPYDもいつか復活のときが来ます。
そこを狙いに行くのも悪くないかなとも思います。
SPYDを始めとした米国株投資に適した証券会社
米国株式への投資をする場合、圧倒的にオススメなのはマネックス証券です。
マネックス証券では昨年からずっと円からドルに替える際の為替手数料が無料です。
次は10月に無料を維持するかを検討することになっていますが、今は無料となってますので大変オトクです。
米国株式を始めるならマネックス証券がぜひオススメです。
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